About
漆作家 下平微由紀
きっかけは、一人のお客様。
父も亡き母も、ものづくりを生業にしている人でした。
私が社会人の時にその血を騒がせてくれた「君はものを生み出す人だ」
と言われたこと(を真に受け)で、漆の道に進んでいます。
最初は、世のなかにこんなに美しいものがあるのか、という気持ちで
アクセサリーなどを作っていましたが、今私が一番パワーを感じるのは
漆が持つパワーを自身が最も感じるのは漆のスプーンです。
普段から食べ物に気を付けていますが、口に入るスプーンについては
考えていませんでした。
とてもお気に入りだった木のスプーンがザラザラと毛羽立ち、あぁ
もう捨てなきゃだめかなあ・・と考えていたとき、
あ、私漆やってるんだった・・・と漆で初めてスプーンを直しました。
私は恥ずかしながら漆のスプーンの凄さをわかっていませんでした。
その滑らかな口当たり、鮮やかな(どうせ自分で使うのでカラフルに楽しく直しました)色味のワクワク感。
食事をワンランク美味しくしている魔法のアイテム。
それから私はしっかりと作った漆のスプーンの虜になりました。
縄文時代から続く唯一天然の塗料。漆。
その力強さ、エネルギーも感じられるアイテムをお届けしたいのです。
評論
01
Eric Monsinjon
(エコール・デ・ルーヴル教授/美術評論家)
日本の伝統的な漆技術を使った現代的な作品
古くから伝わる技術に現代的なアプローチを取り入れているとても興味深い作品です。
透明感のある素材を通過する光とその影の融合が美しく、様々な表情の漆で表現された
明暗、コントラストが非常に魅力的です。
(漆オブジェについて)
02
Odile Lefranc(美術評論家/フランス文化通信省)
色の絶妙な加減がとても美しい
素材との相性、漆のコントロールが素晴らしく、秀逸な技術を集約し制作されていると感じます。漆から昼と夜、光と影といった対比を感じ、またそれが地球の讃歌であると伝わってきました。宇宙の謎そして起源の探求をしているようです。
彼女は優れた技術、才能を持っていると思います。
03
Denis Cornet
(Galerie Thuillierギャラリスト・評論家)
クオリティの高い作品に魅了されました。
透明性により作品へ繊細さを付与するというのはよく行われることですが、
この作品において、透明な部分は木に飲み込まれていて、繊細さがより際立っています。とある惑星に咲いた花を感じるような、そんな気持ちです。